99/3/25(木)
ヒルアヴェ春休みスペシャル「学校って何だ」

(討論編:15時台)
もこ :
さぁ、それではまたまた学生諸君に入っていただきましていろんな意見も言っていただきたいと思うんですが、まずは志茂田景樹さんの書かれた本『俺達不登校・個性と心で生きてやる』この一番最後の章にですね、志茂田さんの学校教育への提言『大改革21案・不登校の子にある限りなき可能性』という章にいろんなアイデアを書いてくださってます、はい。
志茂田 :
まぁ、一番僕が必要なのは現行の中学校を廃止することだと思うんですね。
もこ :
おっ!いきなり。(笑)
志茂田 :
個性重視の中等専科学校にすればいいんです。というのはね、僕は今の中学2・3年生が使ってる教科書、国語だけはどうやらわかるんですけども、他の教科書はほとんどわかんないですよ。「えぇ!こんな難しいことやってんの?」ということはそれでもちゃんと社会で大人としてね、ちゃんと生活できてますから。ということは中学で教えてることのほとんどはその人その人にとっては役に立たないこと。だったら、その人が本当に好きでその人の個性に合った科目を一生懸命やる。その科目に派生する事柄も多様に教えていく、ね。こういうシステムにすれば、本当に今の不登校の生徒達の半分以上は学校戻ってきますよ。で、別に新しく中等専科学校という施設を設けることないです。今の中学校の中にその専科システムを盛り込めばいいわけで、自分はまんべんなく総科的に何の科目も勉強したいんだっていう子には今のままでもいいしね。そのあたり弾力を持たせた形で中等専科学校を作ってもらいたいな、とね。中等国語学校・中等英語学校・中等理科学校でいいじゃないですか。
もこ :
なんかすごくホッとした顔してるみんな(生徒達)ですが、じゃぁ一人一人の意見も聞いていこうかな?まずは、16歳の石井君。
石井 :
はい。僕もね、そういうふうに学校が変わっていけばいいな・・・という風に思うんですけれども。僕の場合は学校だけじゃなくてっていうふうに思うんですね。やっぱり僕がどんどん育ってきたのは、やっぱ家庭を中心にして育ってきたわけですよ。だったら、やっぱ「家庭で育つ」っていうことも一つあるんじゃないのかな?っていう風に思うんです。それからフリースクールみたいな他の居場所もあるし、その人にとってやっぱり自分が一番居やすい所っていうのをまず見つけてそこで育っていけるっていうことを支援をしていくべきじゃないのかな?
志茂田 :
なるほどね。確かに学校と家庭を切り離して考えると誤ることがあるかもしれないね。
もこ :
はい、わかりました。続いて・・・じゃぁケイさん。
ケイ :
はい。私も自分にとって一番居やすい場所がその人の行くべき場所なんだと思うんですけど、今の学校っていうのは「自分がどういう道に進むべきか?」とか「どういう道に進んでいいか?」っていう選択肢をなかなか考えられない場所のような気がしちゃって、私は。だから、そういう社会に出れば沢山の道があるってことはわかるのに、学校にいると・・・っていうか、その学校っていう世界ではなかなか・・・何というのか、自分がやりたいこととかが発見しにくいじゃないかな?と思って、だから・・・です。
もこ :
わかりました、続いて藤嶋君。
藤嶋 :
僕の場合、今までやりたいことを学校によって抑制されてた部分が多かったから、だから勉強勉強っていうんじゃなくて、やっぱり、勉強をやらなくてもこいつにはこういう所があるんだよっていうそういうイイ部分をなるべく伸ばすことができるような環境が多くあれば・・・良いと。
もこ :
藤嶋君は何が一番今やりたいんですか?
藤嶋 :
音楽。音楽やってて、それがなんかいろいろバンド組んでるということだけで、それだけに何っつうか・・・アレがあるんですよ、偏見が。
志茂田 :
あぁ、偏見がねぇ。
もこ :
昔の時代はもう「バンド=不良」?(笑)
藤嶋 :
そうそう、すごいあるんですよ。それだけでこう・・・見られるのがすごい嫌なんです。
もこ :
藤嶋君は実は・・・何?アルバイトもやっていたりして?
志茂田 :
アルバイトも音楽関係?
藤嶋 :
いや・・・いや、それは違います。
もこ :
どんなバイトをしてるんでしたっけ?
藤嶋 :
え〜焼き肉屋!(一同笑)
志茂田 :
おぉ〜イイねぇ、うん。
もこ :
でもね、目的に向かってその音楽を目指しつつバイトもやって。で、学校もちゃんと今通ってて。
藤嶋 :
うん。
もこ :
うん、そうだね。
志茂田 :
小学校卒業しただけで音楽の専科学校に行けるシステムがあったら、行ってたよね?
藤嶋 :
行ってます、行ってます。
もこ :
なるほど。じゃ、続いてもう一方。今度はユメさん。
ユメ :
私は中学校は普通のそういう学校だったんですけど、高校は芸術専門学校といって、普通の高校っていうよりも演劇を中心に学ぶような学校で全然ちゃんとした勉強はほとんど。まぁ一応、文系の勉強はしてたんですけど、全然そういう数学とか理数系はなくて主に音楽関係とか、そういう・・・だから、みんな結構自由。制服はあったんですけどそんなにこう縛られてなくて、みんな自分の個性を出してて。そういう意味では中学校の時には行ってなかったんですけど、高校はそういう意味でいろんな個性を持っている人達が集まった学校に行けたんで結構自由に楽しく行けました。だからやっぱり同じようにそういうのを演劇だけじゃなくてホントに少ないんですよ、そういうとこなかなか認めてもらえなくてなんか「学校なの?」とかそういうのがあるんですけど。やっぱりそういう風に音楽だけのそういう専門学校、高等学校の専門っていうふうに認めてもらえると、多く作っていただけたら・・・うん、もっといいんじゃないかなぁと思いますね。
志茂田 :
今、専門学校はほとんど高校卒業してから行くよね。
ユメ :
そうなんですよね、だから。
志茂田 :
じゃなくてね、これやっぱり中学からそういう道に行けるシステム作った方が僕はいいと思うんですね。
もこ :
はい。じゃ最後に田中君。
田中 :
僕はその・・・他のイイ場所ができたらいいとも思うんですけど、もっと国語だったら国語でもっと色々細かく分けられるわけですよね、自分のやりたいこと。例えば歴史で織田信長だけ学びたいんだとしたら織田信長だけ学べばいいわけですし。後、先生も教え方によって色々あるし先生が教えないこともあるわけじゃないですか、それも選べて。で、選べることによって自分がやりたいから一生懸命やりますよね。で、先生も自分を選んでくれたからやっぱそれはうれしくて教えられますよね。まぁそういう風にどんどんどんどん選んでいったらいいなというのと。あと、年齢を無くしたいなというはありますよね。こう「12歳なんだからハイこれ、15歳なんだからこの位」とかよくありますよね。そうじゃなくて、同じレベルの社会を18歳の人と7歳の人が一緒に習ったって別に全然いい訳ですから、もっと学びたい時に学びたい時期っていうのは人それぞれなわけですから、それをもっとどんどん自分で選べたらいいなと思う。
もこ :
やっぱり一斉に全部並べてそのまんまでやるんじゃなくって、それぞれの「個性と能力とやる気とそういうもの」に全部当てはめてそれぞれがやっていけばいいということですか?
田中 :
はい。
もこ :
はい。こちらね、計算マコちゃんから(のご意見)ね。先程のみんなの意見を聞いててなんですが、【今、学生だから許されることですが社会に出たら通じないと思うんです。これはあくまで私の考えなんで皆さんの考えを聞きたいんですが、「社会に出たらどうするのか?」っていう所を答えていただきたいです】ということなんですがどうでしょう?でも・・・えっと、ユメさんは今、社会出るべく高校を卒業してどうするんでしたっけ?
ユメ :
はい、ホテルの専門学校の方に進もうとしてます。
もこ :
一流のホテルウーマンになろうと?
志茂田 :
ホテルウーマンになるのね、うん。
ユメ :
はい、目指してます。
もこ :
かなり目的意識はっきり持ってるね。
ユメ :
そうですね。でもやっぱり不登校をした時間がなかったら全然もぅ・・・違う人生があって自分がどうなったかホント恐ろしいぐらいで。ま、あの時間があったからこそ今こうして生き生きと自分の夢を見つけられたと思ってます。
志茂田 :
そうね。後で考えれば「心の小休止」だったかもしれないね。
ユメ :
そうですね、はい。良かったと思ってます。
もこ :
他のみんなはどうですか?
石井 :
あの・・・僕はすごいよく言われるんですよね「学校に行ってないと将来どうするのか?」って話。で、僕にとって将来ってすごい大事なものなんですけれども、それより大事なのはやっぱり「今をどうやって生きるか?」っていう問題ですよね。僕が学校に行かなくなったのは納得できないから行かなくなった訳ですよ。その時その時に「納得してどうやって生きていこうか?」っていう風に思うことが一番大事なんであってね、将来になったらやっぱり将来も今を大事に生きるんだってことがもう大切ですし。やっぱ(田中)ケンイチ君1回言ったみたいに、「学びたい時に学ぶことが大切」かな?って。
志茂田 :
僕が子供の頃も嫌だったのはね、大人ってのは今も昔もそうだけど「将来どうするつもりか?」って、そんなもの分からない。いろんな勉強したりいろんな何かを見つけようとしてる時に「将来、君はどうするのか?」なんてこんな愚問はないですよ。先生もね、親もこんな愚問をあまりしないようにしなきゃだめですね、うん。
もこ :
ついつい、じゃ真剣に考えようよって膝つきあわせて、例えばね、子供達が苦しんでるとき「じゃ君は将来どうするつもりなの?こんなことでダメでしょ!」って言ってしまいがちですよね。
ユメ :
親の理想像みたいな「自分の子供をそういう風に育てたい」っていうのがあるからじゃないかなぁ?って。
志茂田 :
そうですね。それと合わなくなってるから、不安なのは親なんですってね。で、これは親の都合ですよ。これは学校で言えば教師の都合ってことなんですけれどもそういうとこありますよ。今の世の中ね、すごくある。
もこ :
それからもう一つ。こちらは志茂田さんの本の中からなんですけども『授業時間を減らす』っていうのがあります。
志茂田 :
え、これ長すぎます。そんでね、勤め人はサラリーマンでも何でも8時半だか9時だかに行くでしょ、ね。学校で勉強してるのにそんなに8時45分だ、なんだに間に合うように行かなくていい。要するにその時間ラッシュだしね。むしろ、せいぜい早くて僕は10時からでいいと思うんです。そうするとラッシュも外れるし子供の交通事故も減ると思うんですよね。何しろ授業時間が多すぎる、僕自身だったらね今の半分でいいですね。まぁ、いきなり半分も大変でしょうから、せめて今の2/3位。
もこ :
はい。今、まぁ文部省が提言してるのも「2002年位には3割方減らしていこう」という方向にはなっていますけれどもね。
志茂田 :
うんうん、なるほどね。少し文部省も利口になってきましたね。
もこ :
ただ、その・・・ね、例えば小学校1年生・2年生では減らすとか、中学1年生では減らすって言われると後でしわ寄せがくるんじゃないか?っていうその怖さがあったりしますけどね。
志茂田 :
逆にね、その分をどっかでくっつけようなんて思っちゃだめで、まぁ要するにいっぱい詰め込むことが多すぎるんですからそれを減らすっていうことですよね。
もこ :
とにかくもう一気にバサッと切っていいわけですかね?はい。で、ある程度先程言ったように興味を持ったものを徹底的に勉強していくという。
田中 :
そうですね、興味を持ったことはできるわけですからね。
もこ :
そうだね。
石井 :
そうですよね。『夏みかん』っていうふうにして去年の夏に合宿を僕らは開いたんですね。学校に行かない子達を300人ぐらい集めたんですけど。
志茂田 :
あぁ、随分集まったね。
石井 :
はい、そうなんです。で、その時に合宿を開いてみんなでいろんなことしようって思う時にいろんな作業があるわけですよ。やりたいことをやる為にやりたくないことも沢山やるんですけれども、その時は僕は朝10時頃に東京シューレの方に行って11時(23時)頃に帰るんですね。で、今の学校の生活より長いじゃないですか。だけれども、それでも全然苦にならない訳ですよね、自分のやりたいことだから。そういう風にその「子供だからこれぐらいの時間」っていう意味じゃなくてね、「もうやりたいだけやっていいんだ」と。真剣にこっちはぶつかって行ってるわけですよね。「子供だ、だけれどもこういうことをしたいんだ」と。だから大人も真剣に受け止めて、その時間どうのこうのじゃなくて、ま、減らす時は減らして、多い時は・・・。
志茂田:
やりたいことはいくらでもできるシステムをね、こう盛り込みながら。
石井 :
・・・が、大切ですよ。
もこ :
わかりました。さぁまだまだ皆さんからもご意見が届いてるんで、またこの次のコーナーで御紹介してまいりたいと思います。

(CM)


もこ :
さ、こちらはね、ミヤジさんという方からメールでの御提言ですね。ぎっしり書いてくださったんでちょっと割愛させていただきますが。【え〜、以下いささか暴論ではありますが私の学校教育改革の提案です。世界には徴兵制を採用した「国民皆兵士」という国はいくつかあります。教育を国防や軍事と同等以上に重要と考えるならば「国民皆教育職員」の国があってもいいんじゃないでしょうか?「全ての国民は次世代の国民の未来の為に教育職員として学校教育に参加する義務を負う」なんていう法律を作って、みんなで学校教育に参加してもらう。例えば20歳から65歳ぐらいの大人が5年に1度は一ヶ月位。国語の時間に志茂田景樹さんがやって来て作文の授業をやったり、もこさんがやって来て話し言葉やコミュニケーションの授業をやったら・・・なんて想像しただけで楽しい!ラーメン屋の親父さんや寿司屋の職人さんとやる調理実習とか、外科医の先生とやる理科の解剖実習とか、事務室では信用金庫のお姉さんが学校の事務長に民間の事務のノウハウを伝授したりして・・・。こうやって学校内部の風通しが良くなれば社会全体の理解・学校教育観も変化すると思うし、職業教師も生徒も変化していくと思うんです。ま、法律は不可能でしょうが、通りがかりの近所のおじさんが学校に遠慮なくやって来て授業を覗いたりできるような雰囲気になれば学校は再生するんじゃないでしょうか?】と、いただいてますがどうでしょう?
志茂田 :
僕はね、今の小・中学校、アレじゃないですか?教職の資格を持ってないと授業はできませんよね、特例あるかもしれないですけど。僕はもっと講師制を採用して例えば・・・ですよ、すごい宮大工のベテランの職人さんがいて、その人がその時間だけは宮大工の話をする。自分の人生を交えながら「宮大工っていうのはどういうとこが他の大工さんと違うのかな?」とか、いろんな話を道具を見せながら話す。そういうのは僕は「生きた教育」だと思うんですよね。
もこ :
私、地元の小学校に呼ばれたことありますよ「話し方の授業やってください」って。
生徒達:
いぃですねぇ。
志茂田 :
う〜ん、そういうことをどんどんやるべきですよね。
もこ :
やっぱり大工さんを呼んで割り箸でなんかこう・・・鉄砲みたいなのを作らせたりとか、そういったことを取り入れてますよね。
志茂田 :
そうですね。僕は社会の1時限位だったらね、年間の内の・・・1時間ぐらいだったら、もっと詐欺師呼んでね(一同大ウケ)「そういう詐欺の手口でこう騙しました、だから皆さん騙されないように!」とかね、そういう話したってこれも生きた知恵になるわけですよ、将来ね。
もこ :
そうですね。ま、大学ではそういった客員講師という形ですか?取り入れてる所はありますけどもっともっとそういった門戸を開いて欲しいという気はいたしますね。え〜それから、こちらは富山市の旅行関係に勤めてらっしゃるケイさん(からのご意見)ですね。【初めてメール出します。自分は富山で旅行代理店勤務の31歳です。今年を最後に旅行代理店を辞めるつもりです。オーストラリアへ一時仕事を探しに行きます。今、旅行業界でも一部不登校生徒・中退者向けの留学プランが出ています。親の見栄で「留学」という形でしばらく海外に行く子が増えました。それも安全なオーストラリアってのが多いんですよ】と、いただいてます。海外留学どうでございましょう?
志茂田 :
いいねぇ。
もこ :
いいですねぇ。ま、でもそれはかなり恵まれた経済力とかないと行けないかもしれないですけどね。まぁある程度なんかその・・・ワーキング・ビザ等も取り入れつつ働きながらってことは。
志茂田 :
いいですねぇ、雄大な自然の中でね。
石井 :
自分が望めばいいですよね。ただ・・・。
志茂田 :
あ、そういうのは多分親がね「そういうのに行きなさい」って。
もこ :
結局同じことの繰り返しですものね。
志茂田 :
ここに問題がホントは潜んでるんですよね。
石井 :
そうですよね。
もこ :
そうですね。後、こちらはカスミさんっていう方から聴いてての感想です。【先生が嫌いという言葉にとっても傷ついてます。私は先生になりたくてもなれない講師という立場です。1年毎の転勤という辛い状況にいます。だから私は生徒との対話を大事にしようと思ってます。でも、システムの中にいると上手くいかないんです。これは逃げなのかもしれないけれど学校は本当に無駄な忙しさがあるんです。生徒に何かしてあげたい、生徒の為にいろんな意味で広い範囲で教えることをしたいです。私は国語を教えてますがいつも迷いの中で授業をしてます。「私が教えたいのはこんなんじゃない!」っていつも心の中で叫んでいます。でもこの声はどこにも届かないんです。だから私は少しだけ反抗して自分の話をしたり脱線したりしています。それはそれで楽しいけれど批判も多いのです。なんか上手く書けませんが私は生徒が好きですよ。生徒っていうより仲間として見ていきたいと思ってます。こんな先生もいるよ、先生が嫌いって断言しないで!】ってありますが、どうでしょう?
志茂田 :
う〜ん・・・僕、今の先生ね確かに公務文書でいろんなやらねばならないことがいっぱいあって、ある意味では忙しすぎるんですね。その辺り結局生徒に向ける目が少なくなってきたりしてるわけで、コミュニケーションが成立しにくい状況にあるような気がしますね。もっともっと今の先生の仕事、雑用的な仕事を減らすということは大事じゃないかと思いますね。
もこ :
わかりました。まだまだ志茂田先生の本の中にはですね『21の提言』先程二つ三つ御紹介させてもらったかな?他にも色々あるんでこれはまた読んでいただくといいんじゃないかと思います。
志茂田 :
楽しい提言もあります。
もこ :
ね。キバブック、これはやっぱり直木賞を取られた作品から?
志茂田 :
『黄色い牙』の「牙」から取りました。
もこ :
牙から、キバブックから出てますんで『俺達不登校・個性と心で生きてやる』ね。
志茂田 :
是非お父さんお母さん方、そして先生方に読んでいただきたいですね。
もこ :
はい、鹿児島県のフロッグマンさん(からのご意見)。【学校問題、一言言わせてください。点数第一主義の今の日本の教育制度が問題だと思います。他人に挨拶ができなくても他人より点数取れる子供を可愛がる教師や大人がはびこるこの日本、着実にダメな国になってます。思いやりや人に対しての優しさを今一度みんなで見つめ直してみるのはどうでしょうか?】そんな優しさをみんなはどんな所で感じました?
田中 :
優しさ・・・でもちょっと関係ないかもしれないけど、学校だとみんな挨拶すると思うんですね。こう外では僕も多分しなかったけど、学校では先生だろうが友達だろうが挨拶するんですね。それは本当に挨拶したくてしてる訳ではないんですよね。「挨拶をしなきゃ罰がある・挨拶をすれば誉められる」という、そういう中で挨拶っていう「手段」として取ってるわけですよね。そういう礼儀っていうのは多分、今どこの小学生中学生も身につけてると思うんですね。そういう社会の中で礼儀とか躾がなってないとかを強要されちゃうと、○○○○とかで一生懸命頑張って自分なりに生き方を見つけて学校の中で上手くやろうとしている時に外からの考えを押しつけられるとすごい子供としては辛いですよね。やっぱこう・・・自分はどうにかしてやろうとして学校ではいい子をやってる訳ですよね。その・・・誉めてくれるわけですから。で、点数が上がって・・・その点数が上がれば「誉められて親も喜ぶ」って。そういう中で「そこだけ変えてくれ」とかはやっぱ無理ですよね、全体が変わらなきゃ。
もこ :
そうなんだよね、結局いい点を取ってくれれば誉める親がそこにいる訳だし・・・ね。
田中 :
で今度、次(点数が)下がるともう・・・すごいがっかりして。
もこ :
そういう・・・まず「大人達の気持ち改革」そこから始めないといけないのかもしれませんね。じゃ、ここで一曲聴いていただきましょう。

(リクエスト曲)


もこ :
いろんな意見がありましてこちらはね、茨城のミルキィ飴さん(からのご意見)ですね。【私の所は小学校三年生と一年生の学校に行っている息子がいます。ある日、小学校三年生の息子が算数でかけ算・わり算の意味がごちゃ混ぜになっていて息子も泣いて、私も泣く思いで教えたんです。しかし先生は「今しっかりやらないと四年生に進んだらもっとわからなくなってしまうから頑張ってください!」と言われ、ますます悩みに悩みました。しかし、息子ながらに先生に「放課後教えてください」と意欲的に教えてもらい、なんとかこの問題もこの先生のお陰でクリアすることができました。心身共に教えてくれる先生は今時の先生には珍しいと思いました。一言、三年生のクサノ先生ありがとう!】クサノ先生聴いてますか?こういう手間暇を惜しまないでもらえると嬉しかったりしますね。あの、学校でのそういう先生との「出会い」ってのはなかったですか?逆にこう・・・ヤダなって思う先生はもちろんいたでしょうけど、いいなぁと思う先生。
ユメ :
こう先生とか上下関係が関係なく名前とかもこう「○×さん」じゃなくって「呼びつけ」で友達みたいな感じで何でも相談できるし嫌なことも聞いてくれるし、先生っていうよりも友達感覚で接せられる先生がやっぱ良かったなぁというねぇ。
もこ :
良かった?あぁなるほどね。私、教育実習には行ったんですよ。教員のね、一応、資格は持ってるんです。
志茂田 :
あら、もしかしたらじゃぁ先生やってたかもしれないね。
もこ :
だったかもしれないですね。でもその行った時に、やっぱりいわゆる今の子達が先生に対して「タメ口をきく」って。今はこう「友達感覚で」って仰ったけど、何かやっぱ「長幼の序」っていうの、私やっぱ古いんですかね?先生には一応敬語を使って欲しいなってその時は思ったんだけど、どうですか?
ケイ :
う〜ん・・・先生という立場から考えればそうかもしれないけど、でも生徒から見たら先生は身近な存在だから、やっぱりそうやって親しくなれると嬉しいし。何というかやっぱ友達感覚でだったら何でも何か自分の悩みとかも簡単に話せるけど。でも、先生っていう上の立場みたいな風に思っちゃうとやっぱりそういう悩みとか、そういうこと話しにくくなっちゃうから・・・うん。
もこ :
そうだねぇ、そうなっちゃうのかなぁ。
志茂田 :
でもコミュニケーションが成立してる先生だったら、生徒の方も先生という立場を認めながら友達感覚でね・・・うん。
ユメ :
そうなんです、そうなんですよね。
もこ :
こちらは【私は高校にはほとんど行きませんでした。誰よりも早く登校して誰よりも早く下校していました。友達も無く眠るばかりの学校生活でした。友人は外の世界にいてみんな社会人でした。当時の私の言葉を覚えていた友人が「あの頃のあんたの言葉が忘れられない・・・”学校は檻だ”って言った」。確かに私はそう思ってました。バイトに明け暮れ制服は鎖だってずっと思ってた。今は違うんですよ。卒業間近、当然卒業の学年中一番危なかった私の為にろくに顔も出さなかった部活の後輩が先輩をよろしくと研究室で頭を下げてくれた。この時期になって初めて先生が腹を割って話をしてくれたあの時、檻が「学校」になりました。知ってください、「時が経てばわかるようになることもあるんだ」ということ、「見えなかったものが見える時が来る」ということ、そして「大多数の平凡の中ににしかドロップアウトは存在できないのだ」ということ。社会の中全ての人達が君達のような考えを持っている場合きっとこの世の中は回らないでしょう。「我慢してる・先のことを考える・したたかさを持っている」そんな大多数の人々があってこそ、君達は「社会を投げることができるんだ」ということを忘れずにいてください】という高知県の”私もドロップアウト組だけどね”っていう方のこれは・・・まぁちょっと厳しい意見なんですけども、これについてはどうでしょうかね?
石井 :
僕はやっぱり今の学校があって、で、志茂田さんがこういう風に提言してね学校を作った方がいい、それから家庭があったり、僕は色々やっぱりあった方がいいと思うんですね。で、色々あって今の学校も好きな人もいるし、志茂田さんが考えた学校も好きな人がいるし、フリースクールが好きな人もいると。で、その人達がみんなで選ぶと。で、そうしていけば僕はいいんじゃないかなぁって思うし、僕は今の学校とか、今の学校も確かにダメな所もあるけれども、でも結局好きな人がいるってことは「その人達の”好き”に応えるべき」だろうと。で、僕は今フリースクールのシューレが好きだからもっともっと好きなフリースクールを作っていくと。そういうことがやっぱり僕なんかは大切なんじゃないかなぁ?っていう風に思う。
志茂田 :
う〜ん、選択肢が多ければ多いほど今はイイってことだよね。
石井 :
そうですね。えぇ。
もこ :
他にはどうですか?藤嶋君はどうですか?
藤嶋 :
(思案中)
もこ :
眉間にしわ寄せて(笑)。
藤嶋 :
まぁそういうふうにあんまり自分の選んだ道に絶対的に行けるという場合ばっかりじゃないから、親のアレとかもあるし、周りの目もあるし、金銭的な面もあるかもしれない。だから・・・できればそういういろんな種類の人を囲える環境があれば、そういうあちこちに散らばる必要もないんだからって思いますよね。
もこ :
まぁそれは「学校自体がもっと大きな受け皿になって欲しい」ということですか?
藤嶋 :
・・・っていう風に思います。
もこ :
ふぅん、じゃ学校自体はやっぱり変えていかなきゃいけないっていうことですね。
志茂田 :
そうですね。
石井 :
あの・・・アレだと思うんですよね。この他人が用意したものじゃ納得できないという人がやっぱいると思うんですよ。で、シューレなんか通ってても僕はそうなんですけれども、さっき志茂田さんがこういう一つの授業からどんどんどんどん発展的に広がっていくと。で、もしその学校でね、いろんなものを用意しても足りないわけですよ。だからいろんな所があっていろんな専門家が来て。で、マニアとかいますよね。で、専門家がいますよね。その人達と好きな人同士がやっぱり話し合って発展的に広がっていくってことがやっぱり理想であれば、やっぱり散らばっても僕は全然かまわないと思うんですね。
志茂田 :
うん、全然大丈夫。そんであの・・・もうホントにこの道極めたいっていう学生生徒だと、ちゃんとパソコン使っても何にしても情報を集め、知りたいことは自分でちゃんと収集して整理しますんでね、頭の中でね。
もこ :
今、皆さんが通ってるというか・・・まぁ二人、この来てくれた中では田中君と石井君が通ってる東京シューレもフリースクールっていう形でありますけど。それとまた別に今、「ホームエデュケーション」ってことも言われてるんですね。後、東京シューレにも「ホームシューレ」ってのがあってお家に居たままで勉強するというシステム。で、それに向けて使われるという意味でインターネットもかなり活用されてきてますよね。もっともっと、ま、これは遠隔地教育にもつながるんでしょうけれど、こういったインターネットをもっともっと活用してくという教育の仕方ももちろんあるんでしょうね。それは過去うちの番組でも取り上げた時にそれぞれが勉強できていいんだけれども、じゃぁ、『みんなでやる楽しいことってあったじゃん!学校に!ほらほら、運動会とか文化祭とか・・・そういうのはなくていいのぉ?』っていう意見がありましたが。
田中 :
ま、それはね、僕達もシューレでよくイベントをやってすごい楽しいってのは分かるんですけど、それは学校である必要は全くないんですね。運動会を例えば、じゃ区でやればいいじゃないかって話にもなる訳だし、やりたい人が集まってやればいいしと、いくらでも可能性はあるわけですよね。ただ、今学校しかなくて、学校でしかやったことがないから分からないってだけで、そんなことは全然ないわけですよね。むしろ今、僕達は学校に行ってる人達と繋がりがない訳ですよね、それはすごい残念なことだなぁと思うんですね。特に僕達が学校と距離を取る必要は全くない訳ですし、学校とももっと交流していきたいなぁとも思うし、そういう所で全然つながっていけると思うんで、それは周りの環境がどんどん変わっていけば全然可能だと思いますよ。
もこ :
なるほど。
志茂田 :
仲間がいれば、まぁ気のあった仲間がいればね、自分達で考えた小さなイベントで楽しくやることができる訳で。別に学校全体の大運動会みたいな行事に「参加する・しない」っていう問題よりも、やはり自分達のやりたいことを仲間で築き上げるっていうことは必要だと思うね。だからちゃんと自主的自分一人で勉強するけれども、そういう仲間がいないとやはりどんどん落ち込んでいっちゃうかもしれないし、違う方向へね。勘違いの方向へどんどん行っちゃうかもしれないんで仲間を作ることは大切だと思う。
田中 :
だから出会える場をもっともっと沢山作って、同じ趣味の人が知り合える場所を作ってくれると。
もこ :
今、通信制の高校っていうのも随分ありますけれど、結局その通信制でちゃんと3年で卒業させる為にも「サポート校」っていうのがあってそのサポート校は結局みんなが集まってきてそういった顔を合わせて会話をしたり友達を作ったりそういうイベントをやったりという場にもなってるわけだからね。ま、結局今ある学校でそれをやる必要は全くないわけで、それに代わるいろんな手段があってしかるべきだという意見でしたね。
志茂田 :
そうですね。
もこ :
はい。さ、まだまだここまで聴いていらっしゃって皆さんの意見も聞かせてください。

(CM)


もこ :
え〜、ミヨ・キタゾノさんからこんなFAXですね。【今日のテーマは言いたいこといっぱいで困ってます。ここ10年程不登校してしまう子供のケースを聞く度に、大人達に子供の気持ちを説明しようとしてきました。しかし、大人もどれだけ不安かというだけで余裕がないんです。そこで提案1「学校もしくは公共機関にいわゆるカウンセラーをメチャメチャいっぱい増やすこと」そして志茂田さんは国語なら解ると仰ってましたが、私は国語はいつもトップだったけど一番わからない教科でした。人の感じ方や文章の捉え方に答えはないと思うんですよ】という意見なんですがどうでしょう?
志茂田 :
あ、これはどう捉えるかその人の感性・感受性でやっていく問題ですから、そこにその人なりの表現が生まれる訳で。国語ははっきり言って暗記科目じゃないと思うんですよね、本当の所はね。
もこ :
なるほど。え〜と(FAXの続き)【提案2「個性の認め方のわからない大人・先生に任せてないで養護学校とかの名称をなくして障害を個性と認める社会にしていく」一番難しいかなぁ。だって養護学校も「○×学園」とかにしていけばいいと思ってるんです】そう、なんか名前だけで偏見が生まれたりしますもんね。
志茂田 :
そうなんですよねぇ。
もこ :
(FAXの続き)【実は私、今、養護教諭をしてます。だけどピアスをして子供達とセブンティーンを読み、しかも私が買ってきてたりします。だけど人を徹底的に傷つけること、心も体も傷つけることと命を傷づけることだけはメチャメチャ怒ります。だけどこんな私20代はやっぱり50代の先生方から生徒のように怒られます、しかも呑み会での愚痴の形で。何が言いたいかと言えば「僕が言いたいことをどれだけ我慢してあんたと一緒に仕事してると思ってんのかぁ!」ということです。とても頑張っているのね・・・と”よしよし”してあげたくなります。みんな自分のことをもっと好きになったらいいのに、大人も子供も。社会の規範に合わせている自分ではない自分を】
志茂田 :
いやぁ、これは良い考えですよ、うん。年取った先生嫉妬してるんでしょう。
もこ :
そうですねぇ。さぁ、じゃぁもうほんとにね、みんなといろんな話してきましたけど、そろそろまとめの時間ですね。みんなそれぞれの感想も一言聞かせてください。じゃ順番に、はい。
石井 :
今日は楽しかったですね。
もこ :
そうですか、えぇ。どうですか?(藤嶋君)
藤嶋 :
・・・・・(沈黙)
もこ :
あ、いいですよ。
藤嶋 :
い・・・いろんな人が・・・。
もこ :
いろんな人がいるなぁと思った!はい。(田中君)
田中 :
でも、これを機会に色々考えてもらって、もっといろんな生き方があることをみんなに知ってもらって、そしたら、どんとん・・・ちょっとずつですよ、変わっていくんで。で、結局みんながもっと考えて・・・したいなと思ってます。
もこ :
はい、ケイさん。
ケイ :
私もそういう学校だけじゃなくていろんな生き方があるんだよっていうことを知ってもらえればいいと思います。
もこ :
はい、そしてユメさん。
ユメ :
学校って絶対に行かなきゃいけないっていう風に思っている人が多いと思うんですけど、今日みんなこれを聴いてもらった人のうち、絶対に行かないといけないんだっていうんじゃなくて、こういう私たちの意見等を聞いて色々考えて欲しいなと思います。
もこ :
はい。そして志茂田さんどうでしょうか?
志茂田 :
えぇ、みんながね、本音を吐いているんでとても気持ち良かったな。ホントはもっともっと家でも学校ででもね、本音を吐けられるようなそういう状況があればいいんだろうけどね。
もこ :
そうですね。今日は比較的中に入れてもらったFAXが生徒自身だったり、後は、ま、学校の先生だったりと。何枚かだけあったんですけれども、親の立場のをあまり読むことができなかったんで、お父さんお母さんが聴いてらっしゃってどのように思ったのか、あるいは御自身のお子さんにね当てはめてみてどういう風にしたらいいと思われたのか、その辺も是非聞きたいなぁと思いましたがね、うん。「親の意識改革」ってこともみんなどっかに書いてあるんですけど、なかなかそれが一番・・・難しくて。
志茂田 :
う〜ん、読んだだけじゃ解らないような問題ですから読んだって分かんないですよ、そんなね。
もこ :
後、何か一つまず一番足下から変えていけたらと思うんですけれど。後は先程志茂田さんが仰ってくれたような「全体にとにかくゆとりのある教育」とか、あとは「心の教育」とか言われてますけれど、その一方でまだまだ急き立ててしまう「もっともっと勉強しなきゃ」って駆り立ててしまう。これだけ学歴偏重社会が徐々に崩れてきていても、でもやっぱりどこか、気持ちのどこか・・・もうこれは「意識下」なんだよね、意識してるずぅっと底の所でやっぱり「学校に入ってた方が有利・いい会社に行ってた方が有利」って思う気持ちが。
志茂田 :
あのね、超一流大学出たお父さんなんですがリストラになったんですよね。それなのに息子に「お前絶対この大学行け!行け!」と言ってまだやってる、うん。
(一同苦笑)
もこ :
(苦笑)説得力がないんだけれどねぇ。でもそしたら、じゃもっと違う個性の生き方ってことをね、そろそろ認めるというよりもそれをちゃんと「現実を直視できる目」を大人も子供もね養っていけたらいいですね。
志茂田 :
そうですね、特に「大人がどれだけ子供達の考えてることを正確に吸い上げられるか」その辺りでしょうね。レールを敷かなきゃなんないのは大人ですから。
もこ :
はい、わかりました。そんなこんなで今日はね、ま、東京でやってる番組なので関東近郊からということで、東京と千葉と神奈川から5人のみんなに来てくれました。改めて、石井君・藤嶋君・田中君・ケイさんそしてユメさんどうもありがとうございました。
生徒達:
ありがとうございました。

(出演者一同の拍手にて討論終了)


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