2000/1/26放送分
14時台
もこ :さぁ、水曜日のヒルサイド・アヴェニュー、小川もこのご案内でお送りしていますが。今日のFAXテーマ「男女比率を考える」その話題はちょっとおいておきましてね。
いつもだったら、お手紙やお葉書を紹介するコーナーなんですが。

先週の今日、大変かたい話題、みんなでね、いろいろ考えて。あーだこーだ、いろんな意見を言い合いました。臓器移植に関すること。ドナーカードを持つか、持たないか。そして、臓器移植に対してどのように思っていらっしゃるか。ほんっとに沢山の真摯なご意見をいただきました。FAXでも、インターネットの書き込みでもね。それからメールという形でも。終わった後も沢山、ご感想もいただいております。

その中から、いろんなご意見、読みこぼしたものをこのコーナーで読ませていただきたいと思います。こちらは鹿児島県のなつこさん。37歳の方ですね。

【初めてFAXします。私は37歳主婦。臓器提供大賛成です。主人に「私が死んだら、使えるところは全て人にあげてね」と言いましたところ、「俺は嫌だ」と一言でした。「俺は臓器提供までの段階が面倒くさい」というのです。話を聞いたり、判を押したり。脳死の場合など、あれだけ世間で話題になり、臓器提供者の生前の意思がスーッと通らず、残されたものはどんな気持ちだったんでしょうか。面倒くさがり屋の主人が「嫌だ」というのも納得してしまいます。もっと簡単に簡潔に、スーッと受け入れられる世の中に早くなるといいのになと思います。】

こちら・・・・えーっと長野県木曽郡の女性ですね。よしえさんです。

【私たち家族は全員ドナーカード持っています。2年前、32歳の若さで私の弟が難病で亡くなりました。その時、一人でもこの病気でなくなる人が無いようにと、弟の体を献体しました。】

ねっ・・・・あのぉ・・・・いろいろな検査に使って下さいって、遺体を差し出すことですねぇ・・・

【葬儀の後、家族全員で、生きている意味、死ぬと言うことについて話し合い、その中でこのカードのことも話し合いました。今は認められていませんが、子ども、9歳、11歳、13歳もカードを持っています。そして、弟の命日に改めてカードについて話し合い、記入し直しています。】

・・・・・・・っはぁ・・なるほど・・・・・
それからこちらは、栃木県足利市のさやかさん。26歳の方です。

【今日のテーマ、とても興味深く聞いています。】

先週のね、臓器提供のことですが・・・

【FAXで、「臓器提供反対=悪」のように扱われている、政府もドナーカード携帯を押し進めている感じがするという内容のものがありましたが、それは誤解だと思います。私は看護婦なので、世にドナーカードが広がる少し前から、ドナーカードを持っていましたが。日本にこういうカードは以前はなかったので、それがありますよという情報を提供するという意味で、広く取り上げられただけのことだと思います。勿論そのカードは提供しませんという意思表示に使っても良いと思います。誰も、病気になりたくてなる人はいません。生まれながらに障害を持っている、病院暮らしの子どもも沢山居ます。何も悪いことはしていないのに、苦しい、辛い、痛い症状。治療をがんばって耐えています。それにもタイム・リミットがあるのです。そこに万が一自分が脳死になったら、提供したいと思っている人が居て、カードがあれば移植がスムーズに進むと思っています。私は臓器提供の意思がありますが、反対の人に対して否定的感情はありません。みんなそうだと思います。】

・・・・かと思うと、こちらは・・・・・んーっと、反対意見の21歳学生さん。

【私は臓器移植にあまり賛成ではありません。さっきもありましたが「人道的」という風に評価されがちですが、いったいどれだけみなさんが臓器移植のことを知って居るんでしょうか。良い面のみを聞いて知らされているんじゃないでしょうか? 今の世の中、神の領域をおかすなと、多くの人が考えているのに反し、人の命が関わってくるからと脳死者の体を使用するのはどうでしょうか。もし、このまま続いていくと、クローン人間が臓器移植のために作られたりするかもしれないし。そのようなことが始まっても、みんな今と同じように賛成すると思われます。人というのは、脳だけではなく、体も含めて人と認識することで成り立っているものです。実際全てを統合しているのは脳ですが、それを崩してしまうことは、今の人の創り出した文化を曲げることに繋がるんじゃないでしょうか。】

んー・・・・・・・そしてこちら、かつおぶしさん。

【難しい話ですが、私の個人的な意見です。みなさんややこしく考えすぎでは?誰かを助けたい・・・それだけじゃ駄目ですか?もし自分の愛する人が脳死と判定されたら、喜んで提供します。脳死のままじゃ、彼は生ける屍。誰かを助けることも、抱きしめることもできないじゃない。もし誰かがその彼の一部を使って、誰かを抱きしめたり助けてあげたりすることが出来るのならば、彼の一部だったものは生きているでしょ。彼が生きてるって、思えるような気がします。脳死のままじゃ、最初はこのままで良いからと思うかもしれないけれど、3ヶ月、半年、1年となるとだんだん重荷になると思うのです。生きている、だけど死んでいる。そんなあやふやな状態じゃ。私はアイ・バンクも提供カードも骨髄バンクも登録しています。もし私が先に死んでしまっても、私の一部は生きているって彼が思えるように。】

ぇー、そっかぁ・・・・・というご意見なんですね。
まだまだ他にいっぱいありますので、こちら3時台も、もうちょっとご紹介していけたらいいなと思っています。


15時台
もこ :先週の臓器移植に関して、まだまだこぼれてるのがありましたので、ここで何枚か読ませていただこうと思います。
先週のこぼれ組、FAX、ならびにご意見です。
こちら、お名前が書いてない方ですね。

【私の子ども、男の子、10歳です。彼はドナーカードを持ちたいそうです。今すぐにでも。彼はひどい喘息(ぜんそく)で、何度か命が危ない直前まで行きました。】

あぁ・・10歳の男の子でねぇ・・・

【彼自身はそんな中で、自分のなにか、働きかけで助かる命があるんだったら「助けたい」ということなんです。しかし私は、親としては嫌だと思うんです。たとえ死んでも、それは我が子だと辛いことだと思うから。私自身は決して移植に反対ではありません。しかしそれを自分や自分の身内に置き換えたとき、してあげる方として貰う方に、なれただけでもそれは大きく気持ちは変わるんです。なっただけでも。勝手な言い分ですが、怖いんです。ちなみに私の父はカードを持っています。私の夫や弟がドクターで、人様のご遺体を使わせていただいて、勉強させていただいたので、自分も役に立ちたいんだそうです。母は何となく嫌だそうです。私も何となく、やっぱりその時になったらOK出来そうにありません。逆に家族ではなく自分だったら、出来るかもしれないと言う気もするのです。でも、7,8000万もかけて、アメリカなどに行く子どもたちを見ていると、やはりなんとかならないものかと思います。人の善意とお金の関係が変になりそうだからでしょうか。もうすぐ、多分近い未来、子どもも日本での臓器移植、OKになると思います。もしかしたらうちの子どもの気持ちが、一番シンプルな考え方なのかもしれませんね。】

福島県のかさじぞうさん。

【臓器移植のこと。以前は提供するに○でした。が、脳死が人の死と言えるのかどうか迷いが生じ、現在はカードを持つのをやめています。妊娠した女性が脳死の判定を受けた場合、胎児は成長し、手術によって赤ちゃんも産める、母乳も出る、その目から涙さえ流すという話を聞きました。本当だったら、その状態を「死」とは呼べない気がするのです。臓器移植=尊いこと、良いこと、みたいなイメージがついてしまいましたが、そんなに単純なことではない問題だと思うようになったんです。自分や家族が提供を受ける立場だったら、気持ちはもっと複雑だと思いますが。技術の進歩に身を任せて、命の問題、自然の摂理を無視することに繋がるのは、とても恐ろしいことのような気がしています。】

そして、こちら。奈良県橿原市のめぐみさん。30歳。看護婦さんです。

【私の勤務している施設も、移植実施施設で、去年の脳死移植の一例も実施されました。そして私は毎日、腎移植待機である透析患者に関わっています。私も一年ほど前から、臓器移植について考えるようになり、移植登録しているレシピエントにもアンケートをしました。登録後、移植に関する知識を得るのはマスコミが殆ど。3割近くの人は、全く情報を得る機会が無いという結果でした。実際、情報を求めるところがない、求める人にしか得る機関が無いという現状。インターネットなど使えない人にも、情報が得られるよう、ネットワークとマスコミが協力されたことがあれば、と思っていました。】

えー・・・なるほど・・・ねぇ

【テーマについて。日本は他国と違って移植が進みにくいのは、死に対する考えが違うことも大きいと思います。体の滅びることと死の繋がりが、大きすぎるのだと思います。逆に本人の意思を尊重して、提供した後の方が、自分たちの中に生き続けている、忘れない、魂は生き続けるということをもっとアピールできたらなぁと思いました。人生にはそんな辛いことばかりじゃないんだよと、レシピエントの思いでいっぱいです。】

ということ。これは・・・・・この方、Gift of Life というイベントに参加して下さって、感想として寄せて下さったんですがね。


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