♪ マイケル・ジャクソン/ヒューマン・ネイチャー ♪
| もこ :さぁ、小川もこのご案内で、水曜日のヒルサイド・アヴェニュー始まってますからね。今日も元気に参加して下さい。ただし、久々のマジ・モードです。
今日は、臓器移植について考えようということで、その名も、テーマは「命の架け橋」というタイトルを付けさせていただいておりますが。何でも結構です。日々のね、その臓器移植に関するニュースをご覧になっての率直な感想から、ちょっと1年前を思い出して貰って、あのときはこうだったねとか。それから、たとえばコンビニに行くと、いわゆる「ドナーカード」と呼ばれている臓器提供意思表示カードという黄色いカードが置いてあるんですが、それを手に取ってみてどう思ったか。あるいは、自分はもうやっぱり、これこれこういう理由があって臓器提供しようとは思わない、そんなことでも結構です。是非あなたの臓器が欲しいんです・・・・そんな番組じゃないですからね。あなたがどう思っているか。そして、周りの人、たとえば自分自身にシミュレーションしたとき、自分がそういった重い病気にかかって、どうしても臓器移植を受けなければいけないとなった場合、あるいは自分の家族がなった場合に、どんな風に思うだろうか。そんなこと、何でも結構です。書いてみて下さい。
東京03-3288-8955、東京03-3288-8955まで。インターネット参加の方は、http://djmoko.com/ ここから「小川もこの伝言板」に書き込んでみて下さい。
さぁそれでは今日のスペシャルな、ずっとね一緒に番組を進めていこうということで、いろいろお話を伺う方、ご紹介いたしましょう。ゲストとして入っていただきました。社団法人日本臓器移植ネットワークの常勤理事でいらっしゃいます、森達郎さん。(拍手) 森達郎(以下・森):どうもよろしくお願いいたします。 もこ :いらっしゃいませ。
森 :そうですねぇ、やはり各地行って、お客さんの反応とか、アンケートとか、そういうのが一年前と比べて全然違いますね。非常に反響があったと思います。
もこ :全く知らない状態から、勿論ねぇ、始まった訳ですからね。
森 :そうですね。平成9年の10月ですね。 もこ :ええ。それが、結局その法律ができても、なかなか日本では臓器移植ってことに至らなかった。それはどういった理由だったんでしょうかね? 森 :やはりあのぉ、根付いてなかったっていうのが、ひとつでしょうね。臓器移植法っていう法律が出来て、ようやく脳死下での提供が出来るってことになったんですね。ですから、(移植手術をする)病院の方も、(臓器を)提供する(ドナーから臓器を取り出す)病院の方も、やはり法律がないと出来ないとかの問題があって、なかなか先に進まなかったんですよ。平成10年の12月くらいでも、まだ意思表示カードの所持率が、総理府の調べだと2.6%くらいしかなかったんですね。 もこ :2.6%・・・・100人に2人か。3人はいないということですね。 森 :ほとんどの方がご存じでなかったっていうのが実状ですねぇ。 もこ :改めてこのカードについて伺いたいんですけど。「臓器提供意思表示カード」とあります。コンビニでご覧になった方もあるでしょう。これは、いわゆる「ドナーカード」っていう言い方を過去してましたよね。 森 :はい。 もこ :「ドナーカード」っていう場合は、登録制だったわけですよね? 森 :登録制でも、登録制じゃなくても、海外でもそうなんですけれど、基本的には「ドナーカード」って言うんですよ。「私はドナーですよ」っていう意思を表示するカードなんですね。
もこ :「ドナーカード」であると同時に「ノン・ドナーカード」でもあるわけですよね。 森 :両方選べるというところが、特徴なんですけども。それはやっぱり、法律によるわけですよね。平成9年の臓器移植法が施行された、その法律がちょっと特殊な法律で、本人の生前の署名入り表示があった場合にのみ、脳死下での提供が出来ますよっていう法律なんですね。ですから、そのカードが必要になって、それだったら臓器提供しないってことも選べるようにしようってことで、そういう、選べる「意思表示をするカード」になってしまったんです。 ![]() もこ :なるほど。後ろをひっくり返すとですね、あるんですよ。
森 :【その他】ってのは、血管とかですね、皮膚とか、いろいろ提供できるものがあるんですけれども。基本的には、特にそこに明記しなくてもいいってことになってますね。 もこ :なるほど。2番目の選択肢もありまして、【私は、心臓が停止した死後、移植の為に○で囲んだ臓器を提供します。】 これは【腎臓・眼球(角膜)・膵臓・その他( )】とありまして、結局、心臓停止後では心臓や肺、それから肝臓といったものはもう・・・・・・ 森 :んー、提供出来ないんですねぇ。 もこ :出来ないわけですね。心停止後も大丈夫だというものは、腎臓、目、そして膵臓ってことに限られてくると。 森 :そうです。 もこ :3番目の選択肢として【私は、臓器を提供しません。】 きっぱりとあります。
森 :そうですね。「その3番に○をつける意味がないでしょ。そのカード持たなければいいじゃないですか」っていうのが、すごく多いんですよ。だけど、万が一その3番に○をして、持っていて、持ったのが問題ないっていうのがですね、残された家族は「この子はどういう意志を持っていたんだ」ってことが分からないわけですよね、その時点。 もこ :そうですよね。 森 :だけど、明確に3番に○してあって、「うちの子どもは臓器を提供しないと言う意志があった」ということで、病院の方にお渡ししても良いわけですから。そしたら、その方の意思が尊重されて、全然臓器提供にはならないわけです。家族のためにも、3番に○して持ちましょう、ということもあるわけです。 もこ :1番、2番どれかね、3番ね、自分で選んでまず○をつけるというところからまずはじまるわけなんですが。どうなんでしょう、実際のところ、去年の3月の2日でしたか、高知で第一例目の臓器移植が行われました。それから今日までに、全部で何例の移植が行われたんでしょう? 森 :全部でいちおう4例。脳死下での提供が行われました。 もこ :たとえばですよ。いろんな場面があったと思うんですけど、4人の方がこのカードを持っていて、尚かつ家族の同意も得られて、臓器移植ってことになったと思うんですけど。
森 :そうですね、去年だけというか、臓器移植法が施行されてから今まで、現在までで、157人の方がカードを所持してお亡くなりになったんですけれども。たとえば、心臓が停止した後の連絡だったり、ご家族の拒否があったりとか、あるいは感染症とかガンとか病気があって、、、、、 もこ :あっ、なるほどね、、、、、意志はあったんだけれども、実際に、じゃぁ臓器はと思って見てみたら、ちょっと健康な状態ではなかったよってこともあるわけですね。 森 :その中で、4例だけが適用できたと。 もこ :今、ドナーカード、この臓器提供意志表示カード持っている方って、何人くらいいらっしゃるんですか? 森 :おそらく、1000万人くらいいらっしゃると思うんですけれども。 もこ :1000万分の、そうすると、4ということですもんねぇ 森 :そうとも限らないですけどね。みなさんが脳死になるわけじゃないですから。脳死になる方っていうのは、年間の全死亡者の中の1%未満って言われてますから。意思表示カード書くことと、実際に提供できるってことは、ちょっと、、、、 もこ :かなりかけ離れてくるわけですねぇ。なるほどねぇ。今日は、専門に、またいろんな臨床の場面に立ち会ってこられた方でもいらっしゃいますので、森さんに――いいですか?もぅなんでも聞いちゃいますよ。 森 :はい。よろしくお願いします。 もこ :もぅ、全国のみなさん、ほんっとに素朴な疑問、もぅ今更、私ちょっと言葉きついかもしれないけれどこんなこと言っちゃうけどいいですか?森さん傷つきませんか?ってことでもいいですか? 森 :はい。(笑) もこ :結構毛が生えてますか? 大丈夫ですか? (笑) じゃあ、そんな森さん、いて下さいますので、どんなことでも結構です。自分は臓器移植についてこういう風に思ってるんだけどどうだろうか、あるいは、素朴な疑問でどうなんだろう、もぅ、疑問でも質問でも何でも結構です。書いて送ってみて下さい。 東京03-3288-8955、東京03-3288-8955まで。
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♪ キリンジ/アルカディア ♪
[ゲスト:ロニー・ジョーダンさんの出演部分は割愛させていただきました]
| もこ :再び森さんに入っていただきまして。ほんっとに沢山のFAX並びにインターネットの書き込みを頂戴しておりますが。歌のお客様、音楽のお客様をお迎えしてる中でも、読んでいただけましたでしょうか。
森 :はい。 もこ :はい、じゃぁ、いろいろ率直にぶつけて参りたいと思います。 森 :(笑) もこ :よろしくお願いいたします。 森 :よろしくお願いいたします。 もこ :こちらは、長野県長野市のジョンさんです。 【初めてのFAXじゃないかと思います。】 いらっしゃいませぇ。 【臓器提供意思表示カード、私も持っています。そして、1番の脳死判定後に臓器を提供するように○してあります。37年使い込んで、だいぶくたびれてきてますからね。どうせ、よそ様に使っていただけるんであれば、出来るだけ新鮮な方がいいじゃあ〜りませんか。元々敬虔な無神論者でありまするので】 (笑)「敬虔なクリスチャン」とか言いますけど、「敬虔な無神論者」!(笑) 【思考の中心である脳味噌が、ハング・アップしてしまえば、肉体のみ生き続けたところで所詮何の意味もありませんからね。我思う故に我ありってね。勿論家族には知らせてあります。いざというときに自分の意志がはっきり伝えられないんじゃ意味がありません。臓器提供意思表示カードを持つのもそのためです。でも、映画や小説の中に出てくるような、臓器闇市場みたいのができちゃったりすると、ちょっと考えもんですよねぇ。ロビン・クックの「コーマ(昏睡)」という小説みたいなことが現実になると。】 もこ :ね・・・・これを心配している方、とっても多いんじゃないですかねぇ。 森 :そうですねぇ。「臓器売買」というような問題が起きましたけれど。でもなかなか、そのぉ、臓器移植っていうのは相性っていうものが大事になるんですよね。あるいは、鮮度っていう言い方はおかしいんですけれど、ちゃんと機能するか機能しないかっていう問題がありますので、そう簡単に、心臓が出た、肝臓が出たから、次の方に渡しましょっていうのは、ちゃんとシステムがないと動かないんですよね。そんな簡単に「臓器市場」とか、そういうことは、現実には起こり得ない。 もこ :なるほどねぇ。そんなお肉屋さんで「じゃぁ、こま肉300グラム」って言って買うようなわけとは全然違うぞ!と。 森 :全然違うんですね。臓器、それ自体に必ず機能がありますでしょ。ですから、その機能が次の方に存続されなかったら意味無いわけですよね。その機能を存続させるのがとても難しい。たとえば、時間が無いから飛行機で搬送したり、ヘリコプターで搬送したりって、もぅほんと神業みたいなことやらないと、命のリレーが出来ないっていうのが今の現状で、そういう市場が煽っていくらで(売買する)なんて、そういう形現実的にも医学的にも難しいでしょう。 もこ :はい。ただね、勿論これから先も紹介していくとは思うんですけど、やっぱり高知の一例目のあんな凄い報道があったがために、みんないろんな意味でいろんなこと考えさせられたと思うんですよ。特に私が見てて思ったのは、たった今まで「小川もこさんって人でした」「小川もこさんが脳死になりました」 じゃぁ「小川もこさんだった」たとえば心臓なり肺が、次の瞬間から「もの」なるっていうその感覚。いきなり「もの」になって、あの青いボックスに詰められて、ホイホイッて行ってしまうってことに対する、別にそれは悲しいとか思うんじゃないんですよ。んー、なんか無常観というか。あぁ、今まで、かつて人であったもの・・・・っていう感じ。 森 :いや、それは見方であって、私たちは、あれは「命」を運んでるというイメージで見てますよね。 もこ :はぁ・・・・そうですかぁ。 森 :決して「もの」なんかではなくって、あれは「命」であって、次の方に繋がる命なんですよね。そういうつもりで、だから一分一刻一秒争って運ぶという。たとえば飛行機で運んで、次パトカーの先導があってっていうのも全部計算するんですよ。予定を立てて。それが予定通りいくから、うまくいったんだけども、そこまで分刻みで予定を立ててやらなきゃいけないんですね。 もこ :また、後で聞いた話なんですけれど、人としての尊厳をちゃんと尊重して、シートも作って、そのように扱っていらっしゃるっていう話も後で聞いたんですけどね。私は、ただニュース映像だけ見てると、なぁんだものみたいに扱ってと思ったんですけれど、実はそうじゃなかったっていう・・・・・ 森 :そうじゃないんですねぇ。ですから、たとえばヘリコプターのガソリンの入れる量も全部決められちゃうんです。一緒に運ぶ人の体重まで決めて、そうしないと何分で着くかっていうのがわからないんですよね。そこまでの細かい計算の上に搬送ってのはなりたってるってことを理解しておいて欲しいなと思いますね。 もこ :はい。まだまだいっぱいね、ご紹介したいと思います。ただし、みなさんね、マジなテーマの時ほどぎっしり書く傾向にあります。(苦笑) なかなか一枚一枚読むのに時間がかかるのですが、敢えて何でも結構です。思ったこと、素朴な質問、メッセージ。 東京03-3288-8955、東京03-3288-8955まで。
森 :よろしくお願いいたします。 |
♪ 徳永英明/追憶 ♪