14時台
2-1.意思表示
もこ :さぁ、時刻は午後2時を35秒回ったところです。水曜日のヒルサイド・アヴェニュー、ご案内の小川もこです。ここから聞き始めた長崎のみなさん、こんにちは。

今日はね、朝日新聞の朝刊の1面に大きく写真入りで「日向子ちゃんお帰りなさい」ってことでね。アメリカで移植手術を受けた子どもが帰ってきた、そんなニュースが載ってました。また、今日行くという子どもも居たりします。去年、高知で第1例目。日本の国内の臓器移植が行われてから、全部で4人の方が手術を受けられました。それについて、徐々に報道というのは沈静化してきているんです。徐々に当たり前になってきたのかなとも思うし、また、違った問題がひょっとしたら噴出してるのかもしれません。

今日改めて「臓器移植」について考えてみようということで、今日のFAXテーマ、久々のマジモード、ちょっと真面目に「命の架け橋」というテーマで募っております。
日本臓器移植ネットワークの常勤理事、森達郎さんにもお越しいただいております。引き続きよろしくお願いいたします。 

森  :よろしくお願いいたします。

もこ :みなさんからいろんな質問が届いているんですけど、たとえばこちら。福岡の鉄分がほしいょさんです。

【質問です。臓器移植の意思表示をするのに、ドナーカードや保険証の張り付けシールがありますが、これって常時携行した方がいいのでしょうか? 私は、保険証に健康保険組合がくれた張り付けシールを貼って、ドナーの意思表示をしていますが、保険証なんて普段持ち歩くものじゃありませんから、いざというときに、ちゃんとドナーになりたいという意思が伝わるのか。ちょっと心配です。】

どうでしょ?

森  :特に心配ないと思うんですけれども、何かあったときに必ず病院に保険証持っていきますよね。そういう意味で保険証のシールってものがあるんですよね。運転免許証に貼るシールってものもあるんですよね。それも、運転免許証は常時携帯していますから、そのときに「この方が誰か」っていうのを確認される時にシール貼ってあると分かるっていうようになっていますね。

もこ :どちらかというと、その方が簡単じゃないですか、話が。

森  :あとまぁ、その当事者がどこにあると自分で指図できるわけじゃないんで、ご家族の方がどこにあるかってことをまず知るのが大事なんですよね。ですから、ご家族の方が全部ひとまとめにして、お持ちになっている方もいらっしゃるし、意思表示カードそのものを免許証に入れている方もいらっしゃるし、あるいは、夫婦で交換して持っているってこともありますよね。

もこ :私自身、実は臓器提供意思表示カード持って、いつもお財布に入れて持ち歩いているんですけれど。このことについて、あまり家族と話をしていないんですね、ってことは、私が持っているってことすら知らないかもしれないんですよ。(笑)もう一回、ちゃんと話すことから始めないといかんなってことをつくづく思っております。

森  :何例か、遺品を整理しているときに出てきたっていうケースがありましたねぇ。

もこ :はぁ・・・・・もう亡くなって

森  :それから、一人暮らしされてる方だったりすると、なかなかご家族とお話し出来ないってこともねぇ

もこ :そりゃそうですよねぇ。
こちらは、お名前が書いてない方なんですが、綺麗な達筆の方ですね。「初老の男です」と書いてありますが。

【ドナーカードのことですが。臓器提供は今後もっとすすめるべきだという考え方の者ですが、ただ、私の知る範囲の医師たちは、誰もドナーカードを持っておりませんし、する意志もないようなのです。医師が率先してカードを持たないのでは、医師がみんなそうだとは思いませんが、我々も持つ気にはなれないので。このことについてどう思われますか?】

(笑) なーんでお医者さん持たないんだよー! 

森  :まあ、、お医者さんもそれぞれ個人であって、死生観、あるいは人生観っていうのありますので、その中でお持ちになるお持ちにならないってこと決めてるって思うんですよね。全く自由ですから、よく理解した上で持たないってこともあるかもしれないですね。ですから、それに関しては問題だとは思わないんですけれど。

もこ :まぁ、それぞれの価値観・・・・・ただやっぱり、お医者さんはさすがに現場でいろんなことに接しているから、いかに大変なことかっていうのも、ある程度わかっているっていうことはあるんでしょうねぇ。

森  :わかっているっていうのもありますし、提供したくないっていう意志はその「お医者さんだから」っていう意味ではないですよね。それぞれ個人の考え方ですから。

もこ :そうですよね、勿論ね。
今日は「あなたはどう思う?」っていうことでして、あくまで「臓器提供しましょう」っていうそういう啓蒙番組ではけっしてございませんので。(笑) 何でも結構です。あなたが、ドナーカード、あるいは臓器移植っていうことに対して、自分はこう思う、なぜならこういう理由だからってこと。いろいろおっしゃっていただければと思います。

東京03-3288-8955、東京03-3288-8955まで。
インターネット参加の方は、http://djmoko.com/ ここから、伝言板、今日のFAXテーマはこれというところに書き込んで下さい。
≪1/19(水)テーマは「命の架け橋」 http://www.tip.ne.jp/bbs/msg/44578.html

♪ シスターズ・ラヴ/キブ・ミー・ユア・ラヴ ♪

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2-2.移植コーディネーター/費用/適合性
もこ :さて今日はね、臓器移植ネットワークの森さんにも来ていただいて、「臓器移植を考える」そんな風に番組を進めておりますが。実はこれ、「Gift of Life〜命の贈り物」というタイトルで、全国展開のイベントとして、全国16カ所をまわって、ずっとやって参りました。JFN各局が主催してです。あと残すところは一カ所。1月21日の金曜日。高知県高知市の高知県民文化ホールで行います。今週の金曜日です。高知のみなさん、是非いらっしゃって下さいね。四国全県、あるいは岡山あたりから車を飛ばしていっても2時間半くらいで着いてしまいますので(笑)、よろしかったらいらっしゃって下さい。平日ですので、夕方の6時開場の6時半開演の予定になってます。勿論、入場は無料です。あのぉ、1500も席がありますので(笑)、いっぱいお友達誘って来ていただいて結構だと思うんですが。

さて、もぅ、ほんとにいろんな質問が届いているんで、どんどんご紹介して参りますよ。
森さん、覚悟の程はよろしいですか?

森  :はい。

もこ :はのすけさん。

【どうせ死んで灰になるのであれば、、何か人の為に役立てもいいのではないかと思います。本音です。臓器を移植することによって生き長らえることができた患者さんご本人もそうですが、特にそのご家族の方の喜ぶ姿を想像すると、本望だとも思います。でも、今のところ私はドナーカードを持ってさえいません。死の判定に不明確な点があるような気がしますし、残された家族のことを思うと簡単には踏みきれません。】

そういう思いでね、今どうしようって思ってらっしゃる方・・・・・

森  :そういう方が多いでしょうね。

もこ :・・・・・多いと思います。

【質問ですが、例えばドナー登録していた人が突然の事故で亡くなった場合、そういう臓器移植ネットワークとかの機関にすぐさま連絡が入るようなシステムになっているのですか?】

森  :・・・・・なってませんね。

(しばし無音)

もこ :(笑)なってないんですかぁ? ・・・・どぅしたらいいの?

森  :事故に遭われて、まず病院に運ばれますよね。病院に運ばれると、救命医療ってのをするわけですよ。その中で、ご家族の方が来たりした段階で「うちの息子は臓器提供意思表示カードを持っている」という情報が入りますよね。それからは、提供される側の先生たちの判断で、「脳死」だという場合があればですね、電話がかかってくることもありますけれども。ダイレクトに救急車から(臓器移植)ネットワークに(連絡が)入るってわけではないんですよ。

もこ :なるほどね。こちらの方は

【例えばその亡くなった人が妻子ある若い男性で、その奥さんも夫の臓器を提供しても良いとドナーカードに同意していたとしましょう。しかし、その時奥さんが突然のことで気が動転し臓器移植なんてとんでもないと拒否した場合はどうなるのですか?】

森  :その場合は臓器提供されません。

もこ 

【臓器移植関係の機関の方が奥さんの気が静まるのを待って、悲しみにくれている奥さんに決断を促すような説得をするのでしょうか?】

森  :移植コーディネーターっていうのが対応するんですけれども、決して説得をするってことじゃなくて、臓器移植あるいは臓器提供ってことはどういうことですよってことをお話しするってことですね。
法律上はそのカードとご家族の承諾書ってのが要るんです。これは二つないと臓器提供に結びつかないんです。ですから、ご家族の方が反対された場合は、その時点で臓器提供はストップしてしまいます。

もこ :なるほどね。えっと、こちらは栃木のひめちゃんですね。

【私はドナーカード持ってます。もちろん、家族にも話はしてあります。他の人に自分の臓器を使って欲しいと思います。でも一つ気になるのは、臓器を運ぶときヘリコプターとかいろんな交通機関を使いますよね。で、質問。この交通費はどこから支払われるんですか? 国から?それとも提供者?あるいは?笑われるかもしれませんが、誰にも聞けないんで教えて下さい。】

森  :まず、提供者からは一銭もお金を取るなんてことは無いんですね。善意で提供していただくわけですから、お金はかからない。搬送するヘリコプターなんかは、たとえば心臓なら心臓を受ける患者さんが負担するということになってるわけです。肝臓は肝臓の手術を受ける方が負担するということになってはいるんですけれども、まだ数が多くないですから、基本的には移植をする大学(病院)の方で負担されているみたいですね。

もこ :なるほどね、病院でね。うんうん・・・ってことは、そう言ったいわゆる臓器は勿論、先ほど「闇市場」なんて話がありますけど、売ったり買ったりするものでもなければ、その手術にかかる諸費用、経費というものも個人が負担するものでは、今の段階ではないということなんでしょうか?

森  :手術を受ける方が、今の段階では、、、まぁそう言うと大学の方から怒られるかもしれませんが、とりあえず基本の考え方は、、、、、、

もこ :(笑)とりあえずは、レシピエント、臓器提供受ける側が負担するべきものなのだけれど、今のところは便宜上、病院が負担している場合が多いと、いう感じですね。

森  :はい。

もこ :ななさん。

【臓器移植。身内に移植に値する病気の者がおります。ドナーカードにもしもの場合、その身内のものへ提供と、指定できるんでしょうか?】

森  :たとえば、腎臓は二つありますよね。ですからもしも、適性、適合性があうようであれば、親戚の方が移植ネットワークの方に登録されていけば、そういうことはあるんですけれども。心臓とか肝臓とか肺に関しては、一つしかないですから、「この方に」と指定した形でとれないですね。臓器っていうのは、誰にあげるっていうんではなくて、一旦社会に還元する、還元したところがレシピエントっていうか、移植を受ける人を決めますんで、そう言う指定ってことは出来ないですね。ただ、腎臓に関しては二つあるってことで、便宜的にその方にお渡ししてるってことはありますけどね。

もこ :なるほどねぇ。見ず知らずの人にあげるのも勿論あげたいけれど、出来ることなら自分の愛してる家族にって思うのは人情ですものね。

森  :それもありますけれども、医学的にたとえば血液型が違っちゃったり、形が合わなかったりってことになると、移植してもその臓器が機能しないってことになるんです。

もこ :そうですねぇ。
さぁ、まだまだほんとに、あのぉ・・・・・・森さんなんでも答えてくれるから(笑) 森さん自身はどう思ってんのよぉーっという、ちょっとねぇ、きついお話でも結構なんですよ。(笑)
そんなお話でも必ずして下さる方だと思いますので! 

東京03-3288-8955。インターネットの方は、http://djmoko.com/ から。
まだまだ待っています。

[ラジオ・ショッピング及びフロム・マイ・シティの部分は割愛させていただきました]

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2-3.命〜ドナー・レシピエント・二つの家族
もこ :さてー今日はね、「臓器移植」を考えるってということで、「命の架け橋」というFAXテーマの元にみなさんからいろんなご意見をいただいております。勿論、臓器提供に対して反対の立場の方もね、いろいろ届いているんですよ。たとえば、じろさん。

【現在の日本における移植行政は、『まず移植ありき』という考え方が支配して臓器移植のメリットばかりを強調しており、当然その裏側にあるはずの「デメリット」が全く見えていない面があり、さらにその見えない「デメリット」を隠した上でのお上からのトップダウンによる『ドナーカード携帯推進』を進めている点です。まるで「臓器移植反対派=悪」と言わんばかりのやり方に非常に憤りを感じます。】

・・・・ってことなんですが。まぁ、「悪」とは勿論言っていない。

森  :言っていない。だいたい世界的に見てもですね、4割くらいの方は臓器移植反対なんですよ。日本の統計でも、やっぱり4割くらいの方が反対っていうことがあるんで。押しつけているではなくて、提供を受けたい人がいますよね、提供しても良いですよという方もいらっしゃいますよね。その方たちには、こういう形で「臓器提供」「臓器移植」が出来ますよ、というかたちでお話をしているってことなんです。ですから、意思表示カードにしても、「私は臓器を提供しません」という項目もちゃんとうたってありますので、そこに○をしていただければいいと思ってます。

もこ :そうですね。とにかくこれを家族と考える、要するに、自分の一番最後を看取るべき人間と話し合っておくということが、まず最初に・・・・・

森  :まず自分で考えて、その上でご家族と話をしてみて・・・・多分、かなり議論が生じると思うんですよね。やっぱり、それで話をしていかないと、いけない問題でもあるし、「臓器提供しない」ということで話がまとまることもあるわけですよね。それは駄目とか悪とかってことを言っているわけではなくて、それはそれで当然のことでしょ、と。でもやっぱり、話したか話してないかということは違いますよね。

もこ :うんうんうん・・・・なるほど。それからこちらは・・・・えぇっと・・・・・お名前・・・・・柳川市ですかね、金太郎の母さんですね。

【ドナーカードについての質問です。私いつもコンビニのレジの前で手にとってみるんですが、先に進めず。体の一部提供するのは良いんですが、そこで質問です。体の一部の提供となりまして、どれくらいの日数、手術完了まで。それとされる方の心構え、費用はどのくらいなのか。家族の中でもしされる方、する方、そこのところ一応知っておいた方がいいんじゃないかと思って、質問させていただきます。】

・・・・・ということなんですが。

森  :はい。あのぉ、臓器提供される時の時間ですよね。長くてだいたい5時間くらいですかね。えー、、、、脳死になって、脳死判定が終わって、それからお医者さんたちが集まって、それっから摘出手術がだいたい5時間くらいですから、長くてトータル8時間くらいかかりますね。提供される方に関しては一切費用はかかりません。

もこ :あっそうですか。はい、わかりました。えっとこちらはぁー、富山県滑川市のすきすきすーさん。

【自分としては、肉体って自分を表現するための魂の入れ物と考えているので、家族にもはっきりとドナーカードとは別に「全部提供してよろしい」と伝えてあります。昨年上映された「シックス・センス」じゃないけれど、宗教的な意味ではなく、自分の魂ってずっと生き続けるものだと固く信じてるから、残されて肉体は、借りたものはお返しするべき何ですよ。自分としては。個人としてはそうだけど、提供する側される側、どっちによってもいけない。フィフティ・フィフティの関係でなくっちゃいけないでしょう。この関係って基本的には相容れないものだと思いますし。】

そうなんですよねぇ。あのぉ、反対の方が作っているホームページも昨日の夜など、かなりジーッと読ませていただいたんですけど。結局、今臓器提供を待っている、重い病気にかかっている人が居るとしますね。その人の命を長らえさせるために、その命を助けたいという思いがありますよね。本人も、周りも。でも、その命を助けたいと思うことと、臓器提供を受けるのを待つってことは、どなたかの命が終わるのを待つっていう、そのすごく、助かりたい助けたい、でもこちらの命が終わるのを待つっていう、その自分の心の葛藤っていうのかな。人の命の終わりを待って、助かる命っていうのはおかしいんじゃないかっていう論点が、まぁ平たく言うと書いてあったんですけど。

森  :そういう議論あるでしょうね。そういう議論も片方でありながら、親御さんで、お子さんが病気で、親が子どもを思う気持ちっていうのは、みんな同じと思うんですよね。その子が、たまさか臓器提供を出来ればいいってったら、やっぱ助けたくなるってのも人情。その考え方と(もう一方の)考え方って言うのは相容れないものが、それはあると思います。逆に言うと、意見がいろいろあって、当然良いと思うんですよね。

もこ :こちらの方はね、サラさんっていう方がぎっしりメールでいただいたんですが。これは、95年の文藝春秋に柳田邦男さんが書いた「脳死、私の提言」という、そういった中から抜粋してなんですけど。この柳田邦男さんのお子さんが脳死になった状況なんでしょうか。

【その状態の変化を、毎日毎日見つめるうちに、脳死とは一体何なのか、ほんとうに脳死をもってその人を死んだとしてよいのかと、わからなくなってしまったのだ。と同時に、移植外科医とは凄い人たちだと思った。こういう脳死状態(顔も胸も血色がよく、あたたかい湿り気がある)の患者を死体と見なして、体内にドッと臓器保存液を注入し、サッとメスを入れることが出来るのだから。おそらくそれは「三人称の死」だからできるのだろう。自分の妻や子に対しても、実行できるのだろうか。もっとも、私も一所懸命に「脳死は人の死なのだ」と、自分を説得してみた。私の感情はなかなか説得に応じなかった。しかし、脳死判定から四日後、それは死の前日だったが、息子のベッドサイドで主治医と救命医療のあり方などについて、じっくりと語り合った後、なぜかスーッと新しい感情が湧いてきた。〈‥‥洋二郎の顔を見ると、菩薩像のように美しく見えた。そのとき、不思議な感情が湧いてきた。いまなら洋二郎が望むなら、心臓でも肝臓でも提供することに同意できそうだ、と。〉もちろん息子にそのような生前の意志はなかったし、脳死患者からの心臓・肝臓の摘出は認められていない時期だったから、現実には脳死状態での臓器提供を申し出たわけではない。ただ、脳死状態の息子に対し、《よく頑張った、いつまでもこのままでは辛いだろう。そろそろ死んだことにしてあげるよ》という気持ちになったことは確かである。息子の心蘇生から脳死、そして心停止に至った十一日間を見つめて、強く実感したのは、死とはだんだんに訪れてくるもの、あるいは人はだんだんに死んでゆくもの、ということだった。もちろん事故や災害による即死は別だ。】

ということで、「死を受け入れる」ってことがどんなに家族として大変なことなのか、でもそれが徐々に変わっていくっていうのが、今とても短い抜粋のとこだけを読ませていただいたんですけど。あの柳田邦男さんをして、こう言わしめるものなんですよねぇ。

森  :そうでしょうねぇ。やっぱり、肉親の死ということが非常にインパクトがあることですし。やはり、そのぉ、認めたがらないってことがありますよねぇ。海外では別なんですけれども、日本の場合は脳死という観念とか、それが法律の中に入っているのが、それが臓器移植法の中に入っていて、脳死と臓器移植っていうのを合わせちゃったっていうのが問題があるんですよね。

もこ :そうですね。まだ深い問題をはらんでそうですが、あなたのご意見、まだまだ待ってます。


[東京グルーヴの部分は割愛させていただきました]

↓Special thanks to Mr.Hanosuke↓


もこ :臓器移植を考えるということで、命の架け橋というそんなテーマで募っております。引き続き森さん宜しくお願い致しますね。えーと、山口県新南陽市のもももさんですね。

【臓器提供、私は提供したいと思ってます。ですが、自分の身内が脳死状態になった時、果たして他の人に提供できるかどうか分かりません。例え本人が提供の意志を持っていたとしても考えてしまうと思います。脳死といっても生きているのですから。日頃から家族の間で話し合っていくことが大切ですよね。すごく簡単な質問ですが、ドナーカードってどこにあるのですか?】

森  あの、コンビニエンスストアとかですね、郵便局に置いてあります。大体全国で5万店舗に置いてありますので、まあ、あのぅ、あるコンビニに無ければ別のコンビニに行って頂ければありますし。

もこ :最初はホントにごく一部のコンビニだったんですが、色んなメーカーさんが置くようになりましたね、ハイ。

森  もしも本当になければですね、臓器移植ネットワークの方に電話して頂ければすぐ送りますので。

もこ :あーそうですか。その電話番号も伺って宜しいですか?

森  03-3502-2071

もこ :繰り返します。東京03-3502-2071番。
これまた素朴な疑問などもこちらにもぶつけても宜しいですか?

森  そうですね。お問い合せ下さい。

もこ :ハッ。40歳主婦匿名希望さん。

【私はドナーカードは持っていません。でも、40歳になりこの頃はドナーになりたいなと思ってます。しかし、私には持病があり、ここ7,8年安定剤を服用しています。それでもドナーになれるのでしょうか?教えて下さい】

森  はい。あの安定剤の量にもよるんですけども、実際は、そのぅまぁ本人がですね、死なれた時にカードが出て、ご家族が承諾もされて、しかも厚生省の指定した病院であるという、全部クリアになれば、特にその時の病状によって臓器提供ができたりできなかったりってなるんですね。

もこ :あー、そういった意味では、あの、健康診断になるっていう・・・

森  健康診断になるっていうか、だから、病気の心臓を移植の為に提供するってことはできない訳です。

もこ :そりゃそうですね。

森  ですからやはり、感染症がないかどうか検査もしますし、全部クリアすれば提供できるってことになる訳ですね。

もこ :どうですか、あの、この辺ちょっと、平ったく聞いてしまいますけれど・・・(笑)。森さん自身は、あのぅ提供っていうことは考えていらっしゃるんですか?

森  えぇ、勿論考えてますよ。

もこ :ドナーカードには全部に○を付けているんですか?

森  はい。1番2番に○をした上にですね、あのぅ、心臓、肝臓、腎臓と・・・でまぁ膵臓とか○してますけど、肺だけはあのぅちょっと×をしてるんです。

もこ :肺に×!何でまた!

森  あのぅ、私タバコを吸いますので、タバコを吸うと提供できないんですね。

もこ :そうなんだ。
世の愛煙家の皆さん!あなたの肺は既に人にあげられない(笑)。そうですか。

森  えー、あげられないんで×をしています。これも私の意思表示なんですね。ですから、それぞれの意思表示を大事にしなければいけないことでもあるんですけど、私の場合は肺はちょっとごめんなさい、勘弁して下さい、ということになるんですけれども。

もこ :そこいくと、もこさんの肺はキレイですよ(笑)。時々スタッフのね、あのぅ強制的に嗅がされてますけど。そっかー。こちら、飯田のカマキリさん。

【私は反対の方なんですよ。いくら死んでも自分の体が切り裂かれると思うと、何だか複雑な思いというのが本音です。だからと言って臓器移植の制度自体反対という訳ではありません。とてもいい事だと思います。移植によって助かる人がいればいいいんじゃないですか?私のお母さんも移植は気が向かないみたいです。決意するということ、とても難しいことですね】

もこ :もう何か、全て頭では納得していても、ここはこうなって、例えばそのぅ脳死っていう状況は絶対生き返るものじゃないっていうことが、頭では分かっていても心情的に先程の方が書いていたように、触れば暖くって、ほんのりピンク色で、湿り気がなくて、何でこれが死んでる状態なのよ!(原稿をバサバサ叩く、もこさんやや興奮気味)と感情では分からないっていうものになっちゃうんですねぇ。

森  そうですね。ですから、メッセージカードを書くっていうのも感情ですし、その、もしもの時に臓器提供するかしないかって決断しないといけないんですね。
その時にも、やっぱり感情ですよね。ただ、その、本人の意志を活かすか活かさないという処にかかってくる訳ですよね。
本人は意思表示カードを持っている、提供したいという意志が生れてる、それを活かすか活かさないかということになる訳ですよね。
だから、よくご家族の方がお悩みになっていわゆる提供を拒否する場合もありますし。
あのぅ、それはもう感情性次第ということになってしまうのもしょうがないと思います。

もこ :ただ一つ言える事は、やっぱり片や助かりたいという命があって、片やあげてもいいという命があ・・・あ、あげてもいいと言うのは語弊があるんですけど、何かあった時に提供してもいいですよ、という意思表示を持ってる人がいたとして、その間に何らかの深い溝があったり、ギャップがあって、そのぅ、やったり取ったりができないという・・・のはどうなのかなっていう、その制度とかシステムとかネットワークとかね、もっともっと改善されていくべきかなと思いますが。

さあ、まだまだあなたのご意見、3時台も待っております。


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