もこ :さぁ、小川もこがお送りする映画の時間「ハッピー シネマでいっぱい」のコーナーがやって参りました。今日は、ちょっとスペシャル版と言うことで、このほど映画化が予定されております、日米合作映画となります。2000年の夏公開予定という、仮タイトルが「ASAKO」 この映画のプロデューサーでいらっしゃいます、市川晃一さんをお招きいたしました。
ようこそ。
市川晃一(以下・市川):どうも、こんにちは。いろいろお世話かけております。
もこ :いや、とんでもないです。
市川 :ご協力いただいてありがとうございます。
もこ :よろしくお願いいたしまーす。
市川 :よろしくどうぞー
もこ :さてさて、映画のコーナーやって参りました。
改めまして、本日のこのコーナーのゲストです。映画プロデューサーの市川晃一さん。よろしくお願いいたします。
市川 :どうもよろしくお願いいたしまーす。
もこ :えー、まず、私たちは実はあのぉ、全国16カ所「Gift
of Life いのちの贈り物」
「朝子 命のかけ橋となって」を通じて命の大切さを考えるシンポジウムという、そんなイベントを企画して。これは全国16カ所。
市川 :そうですね。
もこ :その最後が、今週の金曜日、いよいよ高知にお邪魔してファイナルということになるんですが。
市川 :そう。もこさんにお手伝いいただくわけですね。
もこ :(笑)いやいやいや・・・16カ所中の、私は4カ所。4分の1だけ手伝わせていただいたんですが。そもそも、どういったイベントだったのか、改めてお話しいただけますか?
市川 :もともとは映画をね・・・・僕は映画が本業ですから、映画を作ることから始まったんだけど。やっぱり、こういうことっていうのは地味なことですからね。映像だけでなくてね、なんかこぅ、直接対応してお客様と話が出来ないもんかなぁと。殺伐とした世の中でしょ。なんか「優しさ」って言ったって、簡単にとらえられてて、自分のことみたいな感じじゃないですか。それをもっとね、真剣に考えて貰った形を取った上で、その話題を広めといて、そいで映画を観て貰うと、見方が変わるんではないだろうか。っていうのが、このイベントをやる一つの僕の考えだったんですけどね。
もこ :もともとの、じゃぁこれで映画を作ろうと思われたきっかけとなった本なんですが。
間澤洋一さんという方が書かれた「朝子 命のかけ橋となって」 この本はどんな内容で?
市川 :これは先ほどもちょっとね、お話したみたいですけども、その朝子さんがね、留学中に事故に遭ってということで。その前に、僕は映画でなにかそういう命の大切さみたいなものが、映画でもっと扱えないもんだろうかと。それと、臓器移植っていうのが、もともとなかなか受け入れられない状況の中で、いろいろ諸問題がありますよね。そういうことをもう少しですね、みんなが考える、行政だけに任せるんじゃなくて。みんな一人一人が考えなくちゃいけないことでしょ。一人一人の命のことなんですから。それでね、なんか無いだろうかと思ったときにですね、たまさか7月にこの本が発刊されてて、それでまぁこれを読ましていただいて。正直言いまして、本の中身に関してはね、お父さんの思いがありますから、いわゆる映画にするような原作の内容とはちょっと違う。非常に難しいんでね。これを(脚)本にするのは非常にしんどいと思ったんですよ。
もこ :映画にするのはね。
市川 :映画にするのはね。
ところが、読み終わって最後のページの帯のところに妹さんの会話があって、レシピエントに初めてあったときにね、妹さんが「胸に触って良いですか?」って聞いたら、「どうぞ」って言って「朝子を感じる?」って言ってるわけですね、ドリーさんっていう人がね。そこの行でね、僕は「あっ、これは映画が出来る」って、実は思って映画にしようと思ったんですけどね。
もこ :んー・・・・・今までそういえば、命の大切さ。勿論それぞれ、いろんな映画があって、生きるってことをテーマにして、それぞれが命ってことをとらえてる映画あると思うんですが。
市川 :難病の映画、結構多いですからね。
もこ :んー・・・・・たとえば市川さんが映画に入られる、足を踏み入れるきっかけとなった何か感動をされた作品とか、影響を受けた・・・
市川 :いや、実はね、僕はあのぉ、マネージャー、昔ね、もう20何年も前ですけど、マネージメント業をちょっとやらされてましてね。そいで、ひょんなことで、もう亡くなったんですけど、黒澤明に偶然ね、出会えたんですよ。その前に僕も、役者のマネージメントをしてましたからね。やっぱり(脚)本読めないと、役者に仕事をとるのが・・・みたいなことでいたからね、だからあのぉ、脚本の勉強したことがあるんですよ。脚本の勉強をやってる時に、実は「影武者」という映画がね、前にあったんですが、
もこ :「影武者」・・・・・・
市川 :その映画がまだ製作の段階にならないときに、黒澤さんが(脚)本をお書きになっているときにね、黒澤さんに会えて。実はその後、制作が出来上がるまで3年間、ずーっと黒澤さんの側についていられることが出来たんですよ。それでもぅ、映画のダイナミックさ、黒澤さんのすごさにすっかり感銘を受けた、感動しちゃったっていうかなぁ。それで、よし、俺はやっぱり自分で映画を作ってみたいという思いに駆り立てられて。
もこ :んー・・なるほどぉ。今までプロデュースされたの、どんな映画があるんですか?
市川 :そうですね、僕のデビュー作っていうのが、もう昔ですけどね。小泉今日子のデビュー作で、「生徒諸君!」ってのがあるんです。
もこ :ほーっ!
市川 :あれが僕の、自分の初めてのプロデュース作品ですね。あと「バージン・ロード」とかねあるんですけれども。最近では、まず前回作ですけどね、松本幸四郎さんで「良寛」という映画。鈴木京香とかね、松方さんにお手伝いいただいて作ったんですけど。それもやはり、老人が、きっかけはね、老人問題。老人ホームの中で、男女の問題とかいろんなことでねぇ、殺戮みたいな話があったんですよね。そのときに、僕は・・・人間はみな死ぬんですよ。死ぬときにね、どう死ねるかってことが、テーマなんですよね、人間として生きていくための。それを良寛っていう人は、見事に死んでるんですよね。それで僕はね、混迷している老人たち、大人たち、もちろんみんなは老人になっていくんですよね。そのときにね、どう生きるかといういきづき、自分の死に様、その辺が描けないか。良寛という人は見事に生き抜いているんでね、見事な死に方をしているんで、それを映画にしてみせたいなというのが「良寛」を作るきっかけだったんですよね。
もこ :なるほどねぇ・・・・・・さぁ、今度の映画ではどのようなことを描かれるのか、またその辺のことも伺って参りたいと思いますが。
♪ ヤズー/オンリー・ユー ♪
もこ :さて、今日は映画プロデューサーの市川晃一さん、来ていただいておりますが。
この臓器移植を今回取り上げることになりました・・・「ASAKO」という仮タイトルが付いていますが、どんな映画なんでしょうか?
市川 :やはりあのぉ、本にも書いてあるように、僕の一番の思いは、人に対する思いやりとか優しさ、それをテーマにしたいんですよね。それと当然、臓器を移植するに関してはご本人の朝子さんにもう意識はないわけですからね、それを決断する家族、これは大変だったと思うんですよね。そういうものが、僕はね、映画の中で描ければどうかなって。ほんとの、そういうところにいかないと、なかなか人間の思いだとか思いやりだとか、形で綺麗事言っている愛なんてなかなか出てこないんですよ。そういう極致にあったときに、人ってのはでてきますのでね。そういうのが、やはり、描けたらどうかなと。それがその、今後の人に対しての思いってのが見た方に感じられるような映画になればなっていうふうに、僕としては思ってるんですよね。それで実はまぁ、監督をアメリカ人にしたっていうところもあるんですよ。
もこ :あっ、どなたが監督ですか?
市川 :ジャン=ユンカーマンって言いましてね。
もこ :ジャン=ユンカーマンさん。
市川 :彼は高校時代から日本に来てて、日本語もなかなか達者でしてね。奥さんは日本人でいらっしゃいますんでね。
臓器移植という問題は、アメリカはなかなか先進国ですんでね。思いみたいな、それから宗教観みたいなのありますよね。失礼なんだけど、なかなかそこへ踏み込んで映像を考えて映画の演出をなさるってのは難しいと思うんですよね。そういう意味の中で、たまさか僕の友人がね、ジャンのことをしってて。ジャンにあって話をしたら、彼はさすがにそういう部分があって。彼もドキュメンタリー作家ですからね。「老人と海」とか、日本を題材にしたドキュメンタリー作品、何本か作っていらっしゃる。
もこ :沖縄を舞台にしたものを作っていらっしゃいますよねぇ。
市川 :そうですそうです、えぇえぇ。大きなマグロを追いかけているおじいさんのことをずっとおっかけて。監督なんでね、「生きる」ってことに関しての洞察力ってのは、すばらしい演出家だという風にみてね。そういう人が、初めてなんだけれど、ドラマ的なことに、(脚)本っていうものが出来上がってですよ、それにぶつかったときに、どういう演出をするかっていう一つの興味もある。それと、ドナーという難問なことに関してのアメリカ人独特の考え方みたいなものが、うまくいり混ざって、いい形にならないかなと。それをひたすら期待をして、ジャンに委ねているところがあるんですけどね。
もこ :なるほど。ねぇ。さて、今回「Gift
of Life」というチャリティ・ライヴ・ツアー、イベントでずっとまわっていますが。この16カ所、それぞれで実はこの映画のオーディションを行ってきたんですね。それはどういった内容でしょうか?
市川 :あのぉ、まぁ、主役は無理でしょうけれど。映画ってのは「夢」ですんでね。何か携わりたいという部分があるんですよ。そういうその若いときの「夢」みたいなものをもしたった一つでも良いし、どんな形でも良いから、叶えられればいいかなということで、もし参加できる人がそういう気持ちがあれば、何らかの形で参加して貰いたいなと思って、実は16カ所でオーデションをしているんです。
もこ :このイベント自体が・・・・・・今日も、随分ね、難しいテーマ・重いテーマですねって言いながら、みなさん、すごく、真摯に参加して下さっているんですが。開場に来て下さった方も、我々、私と森さんとそして市川さんの3人のトーク・セッション、みんなでいろんなことをわいわいと語り合う、そんなシーンがあったり。あとはアーティストのライヴがあったり。あるいは、この趣旨に賛同して下さったスポーツ選手などから、頂戴、提供してきたもののチャリティ・オークションを行ったり。すごく楽しい部分も、とてもとても沢山あるんですが。そういったものを全部体験していただいた一番最後に、最初っからは申し上げないんですよね、最後に、もし、ずっと体験して貰って、今日参加して貰って、この趣旨に賛同していただいた方で、こんな映画があるんだったら出てみても良いなって方、良かったら残ってみて下さいってことを申し上げると、すごく沢山の方が残ってくれて・・・・
市川 :そうですね、ありがたいですね。だから、まぁ出来ることだったらね、全国16カ所の人たちが出て下されば良いんですがね。なかなかそういう風にはいかないでしょうけれども。まぁ、出来る限り・・・変な言い方ですけど、いわゆる通行人でもいいしね、んー、そういう形でも良いから。
もこ :ひょっとしたら、とてもとても素晴らしい才能が・・・・・
市川 :そうなんですよ。オーディションの面白さってのはね、そういうのがあるんですよ。僕は昔ですからね、「生徒諸君!」やった時も全国オーディションして、その中から選んだりとか。2回目の「バージン・ロード」全く素人の子をね、主役にしてつかったりとかしてますのでね。やはり、あの、勉強して、勿論基礎ってのは必要なんだけれど、やっぱり「感性」ですからね。感性のある子っていうのはいるんですよ。
もこ :いいですねぇ。今回この「Gift of
Life」のイベントから明日のスーパー・スターが(笑)生まれたら嬉しいな。
市川 :んふふ、そういう形が取れればね、一番良いんですけれども。当初は、妹さん役のような形みたいなね、イメージに朝子さん役みたいな人がいればという風に思ってはいたんですがね。なかなか、やっぱり諸事情、英語の問題とかいろんな問題がありますんでね。
もこ :あぁ、やっぱり・・・・・・・英語が出来ないとっていう部分があるんですねぇ。
市川 :えぇ、そうなんですよ。それで、主役にはねぇ、西田ひかるさんが今アメリカの方に行っていらっしゃるんですけれども。まぁ、アポとってねぇ。
もこ :西田ひかるさん。
市川 :(脚)本読んで貰って・・・彼女はなかなか英語が堪能ですのでねぇ。
もこ :えぇえぇ。
市川 :あのくらいの力量がないと、やはり、芝居的に難しいので。
もこ :あっそっかぁ・・・他の配役でどうですか、だいたい具体的にはもう決まってきては・・・
市川 :まだねぇ、具体的にはないんですけれど。僕が今一番望んでいるのは、アメリカでロバート・レッドフォードさんが参加したいっていうことで・・・・
もこ :えっ! ロバート・レッドフォードも出るんですか?
市川 :まぁ2シーン・・・・2カットくらいなんですが。向こうの方の医師の役で出ていただけるような話が今、進んでいるんですよね。
もこ :ロバート・レッドフォード自身もこの臓器移植に関して・・・・・
市川 :ご子息がね、腎臓をいただいたというようなことで、大変そういうことに・・・・・元々あの方、なかなかボランティア精神のある方でね。非常にいろんなことなさってる方なんで。
もこ :えぇえぇえぇ
市川 :実現できればいいなぁと。日米という意味の、「架け橋」という意味でもね。お力が借りられればと思ってますけどね。あとはどうでしょうかねぇ・・・・・
もこ :お母さん役は?
市川 :お母さん役がなかなかね・・・・・今、僕としては吉永さんになんとか
もこ :吉永小百合さんですか!
市川 :えぇえぇ今、ちょっと吉永さんの方にアポとって、(脚)本を読んで貰おうと思ってるんですけれどもね。まぁ、なかなかね、難しいですけどね。
もこ :いや、どんな方に決まるのか・・・・どちらにしても夏の公開予定ってことはそろそろ、大まかなところは決めて。クランク・インはいつですか?
市川 :クランク・インは一応2月の後半、まぁ3月の頭くらい。ただしちょっとですね、今遅れてるのは、アメリカの方の卒業式のシーンをね、彼女の、朝子さんのほんとの卒業証書をいただいた学校でしたいと。それに関して学校サイドも、出来る限りしたいということで。5月に卒業式があるというので、そこのシーンはそのままでやりたいという風に思ってますのでね。
もこ :さぁどうでしょう。あなたもひょっとしたら、西田ひかるちゃん、あるいはロバート・レッドフォードと共演できるかもしれない・・・(笑)・・・・最後のチャンスと言いますかね、1月の21日の金曜日。高知の高知県民文化ホールで最後のイベント行いますので、よろしかったらね、平日なんですが、夕方6時半からですから。仕事が終わった後でも、遊びにふらっと来ていただければと思います。
じゃぁ、最後にプロデューサーの立場でも、どんなことでも結構です。全国の皆様に何か一言お願いいたします。
市川 :そうですね、僕はこの「Gift
of Life」っていうのを16カ所やる計画を立てたんですけれども、このイベントそのものを今回限りにしたくないっていう思いがあるんですね。やはり、優しさってことを根本的から考え直したいっていう思いがありましてね。是非ですね、この後も続けてやっていきたいというふうに思ってますので、ご協力いただければありがたいと思っています。
もこ :はい、わかりました。どんな形になるのか・・・ちょっとお話ししてた中では老人介護の問題とかね、介護保険などのことも考えたいという・・・・
市川 :次回は是非やりたいですね。
もこ :・・・・・そんな市川さんでした。 |